扶養を外れると年収いくらで得になるか 負担額から計算する方法

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扶養を外れると、どんな影響があるか?

所得税と住民税、健康保険と年金の社会保険、会社の家族手当の話といろいろな要素があるので、結局どうなるのかイメージしにくいかもしれません。

そんなときはモデルケースを想定して、具体的に金額を計算するとわかりやすくなると思います。

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扶養を外れると年収いくらで得になるか

妻が仕事を増やすと、ある時点で夫の扶養を外れることになります。妻が扶養を外れるときの負担はどのくらいになるでしょうか?また、妻の年収がいくらになれば、手取りの世帯収入が増えて得になるでしょうか?

おおまかにイメージをつかむために、東京都世田谷区在住の山田家の場合をみてみましょう。

山田さんは共働き。夫婦ともに40代で、妻の花子さんは夫太郎さんの会社の社会保険で、被扶養者になっています。

社会保険の被扶養者になれる要件については、こちらの記事にくわしく書いていますので、興味のある方はぜひお読みください。

関連記事>>>健康保険の扶養の条件 収入の基準とか扶養から外れる条件とか

 

妻の花子さんが扶養を外れる直前、山田家の家計は表①のようになっていました。

① 扶養を外れるまえ

花子太郎家計全体
年収(給与)1,290,0005,040,0006,330,000
所得税住民税33,500317,300350,800
社会保険料0732,336732,336
手取り収入1,256,5003,990,3645,246,864

太郎さんは、花子さんを扶養していることで、月1万円の家族手当を会社から支給されています。

花子さんは社会保険で太郎さんの被扶養者になっているため、社会保険料の負担が0円。無償で太郎さんの会社の健康保険が使えるし、国民年金の第3号被保険者として年金保険料が免除されています。

家計の手取り収入は5,246,864円です。ここがスタートですね。

ちなみに世帯年収633万円は、子育て世代の家計収入の中央値です。

参考サイト>>>世帯年収の平均は?家計内訳モデルも公開(転職Hacks)

 

ここから花子さんの収入が1万円増えて年収130万円になると、花子さんは扶養を外れることになります。そのときの山田家の家計が表②です。

② 扶養を外れたあと~花子さんは社会保険に加入

花子太郎家計全体
年収(給与)1,300,0004,920,0006,220,000
所得税住民税14,700298,100312,800
社会保険料196,476732,336928,812
手取り収入1,088,8243,889,5644,978,388

花子さんはパート先で社会保険に加入して、社会保険料を自分で負担するようになります。

太郎さんは家族手当が年12万円減額されるので、年収が504万円から492万円に減ります。

二人の税額も変化して、負担が増えたり給料が減る分税金も減りますが、合わせて家計の手取り年収は4,978,388円に減少します。

表③は扶養を外れる前後で、差額がいくらになるか計算したものです。

③ 扶養を外れる前後の差

花子太郎家計全体
年収(給与)10,000-120,000-110,000
所得税住民税-18,800-19,200-38,000
社会保険料196,4760196,476
手取り収入-167,676-100,800-268,476

花子さんの年収が1万円増えただけで、手取りの家計収入が約27万円減少することになりました。

税金が減るので、花子さんの社会保険料と太郎さんの家族手当減の合計額よりは負担額は少なくなりますが、多くの主婦が扶養内で働きたいと考えるのは、当然といえば当然ですね。

そして、この27万円を取り戻して手取りの家計収入を増やすには、花子さんの年収がいくらになればいいかを計算したのが、表④です。

④ 扶養を外れるまえを超えるには

花子太郎家計全体
年収(給与)1,680,0004,920,0006,600,000
所得税住民税44,900317,100362,000
社会保険料253,632732,336985,968
手取り収入1,381,4683,870,5645,252,032

花子さんの収入が増えるにつれて社会保険料と税金も増えるので、単純にはじめの負担額27万円だけ給料を増やせばいいわけではありません。この例で花子さんは、年収を38万円増やして168万円にする必要があります。

家計の手取り収入は5,252,032円になり、花子さんが被扶養者資格を失うまえの金額を超えることができました。

太郎さんの方は、花子さんの年収が150万円を超えると配偶者特別控除の適用額も減りはじめるので、税負担が少し増えて自分の手取りはさらに減っています。

ところで、花子さんが扶養を外れるとき、必ずしも勤め先の社会保険に加入できるわけではありません。パート先が、社会保険適用事業所ではないこともあるでしょう。

勤め先で社会保険に加入できない場合、花子さんは居住地の世田谷区が保険者となる国民健康保険に加入し、国民年金第1号被保険者として年金保険料を負担することになります。

花子さんが国民健康保険と国民年金の保険料を払うことになると、社会保険よりも当初の負担が増えて、手取りの家計収入が増える年収も上がります。

表にまとめると、以下のとおりです。

① 扶養を外れるまえ(社会保険加入の場合と同じ)

花子太郎家計全体
年収(給与)1,290,0005,040,0006,330,000
所得税住民税33,500317,300350,800
社会保険料0732,336732,336
手取り収入1,256,5003,990,3645,246,864

② 扶養を外れたあと~花子さんは国民健康保険と国民年金

花子太郎家計全体
年収(給与)1,300,0004,920,0006,220,000
所得税住民税6,700298,100304,800
社会保険料284,380732,3361,016,716
手取り収入1,008,9203,889,5644,898,484

③ 扶養を外れる前後の差

花子太郎家計全体
年収(給与)10,000-120,000-110,000
所得税住民税-26,800-19,200-46,000
社会保険料284,3800284,380
手取り収入-247,580-100,800-348,380

④ 扶養を外れるまえを超えるには

花子太郎家計全体
年収(給与)1,760,0004,920,0006,650,000
所得税住民税42,500327,100339,000
社会保険料324,880732,3361,055,416
手取り収入1,392,6203,860,5645,253,184

花子さんが扶養を外れるときの負担額が約35万円に増えて、花子さんがクリアしないといけない年収も176万円に上がりました。

 

花子さんの働き方次第では、パート先で社会保険に加入することもあります。このときも花子さんは太郎さんの被扶養者ではなくなります。この場合、少ないと年収106万円で扶養を外れることになります。

花子さんが年収106万円で扶養を外れることになると、山田家の家計は以下の①~④の表のようになります。

① 扶養を外れるまえ

花子太郎家計全体
年収(給与)1,050,0005,040,0006,090,000
所得税住民税9,500317,300326,800
社会保険料0732,336732,336
手取り収入1,040,5003,990,3645,030,864

② 扶養を外れたあと~花子さんは社会保険に加入

花子太郎家計全体
年収(給与)1,060,0004,920,0005,980,000
所得税住民税0298,100298,100
社会保険料157,176732,336889,512
手取り収入902,8243,889,5644,792,388

③ 扶養を外れる前後の差

花子太郎家計全体
年収(給与)10,000-120,000-110,000
所得税住民税-9,500-19,200-28,700
社会保険料157,1760157,176
手取り収入-137,676-100,800-238,476

④ 扶養を外れるまえを超えるには

花子太郎家計全体
年収(給与)1,360,0004,920,0006,280,000
所得税住民税20,700298,100318,800
社会保険料196,476732,336928,812
手取り収入1,142,8243,889,5645,032,388

花子さんが扶養を外れると、約24万円の負担があり、花子さんが年収を30万円増やして136万円までいけば、家計の手取り年収を増やすことができます。

以上、3つのモデルケースをみてきました。

花子さんが年収130万円のときに扶養を外れると、社会保険に入れる場合は年収168万円、国民健康保険に加入する場合は年収176万円で、手取りの家計収入を扶養を外れるまえよりも増やすことができます。扶養を外れるときの年収が106万円ならば、年収136万円で手取りの家計収入を増やすことができます。

いかがでしょうか?

扶養を外れると何が起こるのかイメージしにくかった人が、具体的な金額で感じがつかめるといいのですが。。。

山田家のケースはあくまでモデルケースで、実際は家庭ごとにいろいろな事情があり、家族構成もさまざまです。

税金や社会保険のことがわかる人は、負担額や手取りの世帯収入が増える年収を自分で計算できると思いますが、税金と社会保険の知識がない場合は、上のような表をつくるのもかなりの苦行になるでしょう。

でもかんたんな計算で、負担額や得になる年収についておよその目安を知ることができます。

扶養を外れるときの負担額から計算する方法

山田家の計算例をみてわかるように、扶養を外れると税金はいくらか減るので、当初の負担額は、社会保険料と減らされる家族手当の合計額よりは少ない金額になります。

そのため社会保険料と家族手当の減額分を合計すると、扶養を外れるときの負担額の上限を計算することができます。税金はとりあえずは負担額を減らす方向に働くので、ここでは無視してかまいません。

以下で、その計算方法を説明します。

まず、社会保険料がいくらになるか、です。

自分の社会保険料がいくらになるかは、以下のサイトでお住まいの都道府県の保険料を調べて下さい。

>>>標準報酬月額・標準賞与額とは?(協会けんぽ)

標準報酬月額というのは、毎年4、5、6月に支給された給与月額の平均値をいいますが、ここでは扶養を外れるときの年収を12で割った金額を使いましょう。

平成30年の保険料額表で健康保険料と厚生年金保険料の折半額を合計して12倍すると、社会保険料の年額になります。40歳以上の人は「介護保険第2号被保険者に該当する場合」の欄を選んで下さい。

参考サイトは全国健康保険協会(協会けんぽ)の標準報酬月額表ですが、社会保険料は加入する社会保険によって保険料がちがいます。加入する社会保険がわかるときは、その社会保険の標準報酬月額を調べることをオススメします。

国民健康保険に加入することになる場合は、以下のサイトでお住まいの市区町村の保険料がわかります。

>>>国民健康保険計算機

年齢区分と給与収入を入力して計算すると、国民健康保険料の年額がでます。これに年196,080円(平成30年度)の国民年金保険料を加算して下さい。

次に、家族手当がいくら減額されるか、です。

会社の給与規定などに、家族手当の支給要件が書いてあると思います。どんなときに妻の家族手当が支給されなくなるか、その金額がいくらになるか、を確認しましょう。もしかすると、給与明細をみればわかるかもしれませんね。

社会保険料と、家族手当が減額されるならその金額を合計すると、扶養を外れるときの負担額が計算されます。で、これを1.5倍して下さい。

式にすると

(手取り家計収入が扶養を外れるまえを超える年収)=(扶養を外れるときの年収)+(扶養を外れるときの負担額)×1.5

となります。

おそらく計算値は30~50万円ぐらいになったのではないでしょうか。少し多めになっているかもしれませんが、これだけ年収を増やせば間違いなく、手取りの家計収入で扶養を外れるまえを超えることができます。

まとめ

扶養を外れると、いきなり手取りの家計収入が減ってしまいます。リカバリーするには何十万円も年収を増やす必要があります。

今の仕事で大幅に収入を増やすことができるといいのですが、もしかすると難しいかもしれません。その場合は、手取りの家計収入が増える給与水準の仕事を選んで、一気に年収をあげることも選択肢のひとつです。

ここにいい仕事があるかもしれません。

どうせ扶養を外れるなら、収入を大きく増やしたいと考える方はどうぞ!

└( ̄◇ ̄*)┘ガンバレー!!

 

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