ひとりだけ暑そうにみえるとか、快晴なのに雨に打たれたみたいに髪の毛がベチャベチャとか、顔汗に悩まされていると気まずい思いをすることが多いですね。
人と会うのが億劫になったり、おしゃれをする気も起こらなくなったり、と、顔汗の悩みは実生活の質を大幅に悪化させてしまいます。
とりあえず顔汗を止めることができれば、悩みはかなり軽減されます。
顔の汗を止める方法
顔の汗を止める方法は大きく2つあります。
- 汗の出口を抑える
- 汗をかく仕組みを邪魔する
下図は人が汗をかく仕組みです。
脳の視床下部から出される「汗をかけ!」の司令が、交感神経を経由して神経の末端まで伝達されます。末端のシナプスではアセチルコリンという神経伝達物質が分泌され、汗腺に司令が伝えられます。すると汗腺で汗がつくられて、皮膚に分泌されるようになります。
- そんなに暑くないはずなのに、顔からダラダラと汗をかいてしまう
- あきらかに人とちがって顔汗がひどい
こうした悩みの引き金になっているのは、交感神経の過緊張=自律神経の乱れだといわれています。脳の司令がないのに、勝手に交感神経が汗をかけと汗腺に司令をだして、ふつうは汗をかかないようなときに顔汗が出てしまう状態です。
顔は汗腺が集中しているので、脇の下や背中と同様に、身体の中ではもともと汗をかきやすい部位です。だから、運動不足などで身体が汗をかくのに慣れていないと、身体から出ない分が顔に集中することもあります。
思い当たる人は、運動して汗をかくことが習慣になると、ひどい顔汗が改善するかもしれません。
でも、汗腺がサボっているから顔汗がひどいのではないなら、上図の汗をかく仕組みのどこかにアプローチして、交感神経の司令が汗腺に届いても汗が出にくいようにするか、司令が届かないようにする手を打つ必要があります。
そこですることが
- 汗の出口を抑える
- 汗をかく仕組みを邪魔する
の2つの方法です。
実際にお医者さんにかかると、標準的な多汗症の治療では、まず汗腺と毛穴を塞いで汗が出ないようにする塩化アルミニウムの外用薬と、アセチルコリンの分泌を抑えて発汗の司令が汗腺に伝わらないようにする抗コリン薬が処方されます。
顔汗を抑えるには何をする?
上記の2つの方法のうち、汗の出口を抑える方法は完全な対症療法なのですが、顔汗に悩む人の苦痛が相当に軽減される重要なポイントになっています。
汗を止めるのに、治療レベルでは塩化アルミニウムの外用薬が使われますが、生活レベルでは市販の制汗剤をつかうことも有効です。
有名なBan(バン)や8×4(エイトフォー)などの市販の制汗剤は、クロルヒドロキシルアルミニウムや焼ミョウバンといったアルミニウム化合物を制汗の有効成分としています。ミョウバンはギリシャ時代に使われていたといわれる、人類とは長い付き合いの制汗成分です。治療薬として塩化アルミニウムが使われているように、アルミニウム化合物の制汗作用は強力です。
でもアルミニウムは肌への刺激も強いため、実は皮膚がうすく刺激に敏感な顔に使うのは向いていません。
市販の制汗剤を顔に塗って、ヒリヒリしない人はよっぽど肌の強い少数派です。そこで、顔汗を抑えるのには顔用の制汗剤がオススメです。
テサラン フェイスは、最近発売されて好評な顔用の制汗剤です。
手汗用の制汗剤としてアマゾンや楽天市場で人気になっているテサランの会社が顔汗用につくった制汗剤で、化粧下地として使えるように作られているので、ふだんのメイクと一緒に使えて、余分な手間のかからないスグレモノです。
これを使うと化粧崩れしにくくなるので、化粧直しを何回もしないといけないという一番の悩みも解消することができますし、メイクの上からも使えます。
顔に使える制汗剤と他の制汗剤との一番の違いは、含まれている制汗成分です。顔汗用には、フェノールスルホン酸亜鉛という有効成分が使われます。
フェノールスルホン酸亜鉛は、アルミニウム化合物ほど制汗作用が強くありません。
この効果の差は、1966年にアメリカの18種の制汗剤の効果と副作用を研究したニューヨーク大学の論文で検証されています。
>>>A Clinical Evaluation of the Effects of Deodorants and Anti-Perspirants
このときの主要な制汗成分は、すでにクロルヒドロキシルアルミニウム(Aluminum chlorhydroxide)、硝酸アルミニウム(Aluminum sulfate、ミョウバンに含まれるアルミニウム化合物)、フェノールスルホン酸亜鉛(Zinc phenolsulfonate)になっていました。今でも制汗剤の有効成分は変わっていません。
この論文では被験者の一般人と医師が、それぞれに制汗効果と防臭効果を評価し、その結果が一覧表としてまとめられています。
一覧表によると、制汗効果と防臭効果の両方で、被験者も医師も1位と2位にしたのはクロルヒドロキシルアルミニウムの制汗剤でした。
硝酸アルミニウムの制汗剤は多少評価が分かれましたが中位にランキングされていて、フェノールスルホン酸亜鉛の制汗剤は被験者の評価はそこそこでしたが、医師からはあまり評価されず下から3、4、5番目に位置しています。
どの制汗剤も、副作用はまったく気にしなくていいとされています。
このように、クロルヒドロキシルアルミニウムとフェノールスルホン酸亜鉛には制汗効果に大きな差があります。フェノールスルホン酸亜鉛が一般の被験者に比較的好評だったのは、使い心地が悪くなかったからだと思われます。
アルミニウムが汗孔や毛穴にキッチリ角栓つくって汗を止めるのに対して、亜鉛はそこまで強く毛穴を塞がないとされています。そのマイルドさが、肌トラブルになりにくい理由です。
そこで顔用の制汗剤には、あえて効果の弱いフェノールスルホン酸亜鉛が選ばれるのです。肌にやさしい制汗剤をつくるために、あえて効き目の弱い成分を使うという逆転の発想ですね。
有名な市販の制汗剤では、シーブリーズだけがフェノールスルホン酸亜鉛を使っています。
制汗剤の有効成分については、こちらの記事に詳しく書いていますので、作用機序などに興味のある方はお読み下さい。
関連記事>>>制汗剤の成分は安全なのか?汗を止める仕組みと体への影響について
顔汗の原因はどこにあるの?
顔汗がひどい原因は交感神経の過緊張でした。脳が司令を出していないのに、勝手に交感神経が汗をかかせているのです。
そこで、2つ目の汗をかく仕組みを邪魔する方法は、交感神経から汗腺への情報伝達の経路を遮断するものです。
お医者さんの標準的な治療法のガイドラインでは、以下の方法が患者さんへの十分な説明を前提として推奨されています。
参考サイト>>>原発性局所多汗症診療ガイドライン2015 年改訂版(日本皮膚科学会)
- アセチルコリンの分泌を抑える抗コリン剤の内服薬
- ボツリヌス菌を使った神経ブロック注射(BT-A)
- 胸腔鏡下交感神経遮断術(手術で交感神経を遮断する)
抗コリン剤とはプロバンサインという薬です。服用後1時間程度で制汗効果があらわれ、5時間程度効果が持続するとされているので、ここで汗を止めたいというタイミングで飲むと効果的です。ここぞというときに汗を止められるので、プロバンサインはお守りだ、という患者さんもいるそうです。
神経ブロック注射も、症状が重いと診断された人によく使われる治療法です。注射後4ヶ月から半年程度、効果が持続するといわれています。
交感神経遮断術は、もっとも重症の患者さんに施術されます。代償性発汗といって、顔の汗をこの手術でとめると他の場所で汗をかきやすくなることがしばしば起こります。代償性発汗が身体のどの部位で生じるかは術前にはわからないため、患者さんが強く希望する場合にだけ選択されるべき方法とされています。
顔汗治療のステップは、下図のように示されています。
上記のガイドラインでは、顔汗の診療アルゴリズムについて以下の記述があります。
(塩化アルミニウム外用は)頭部顔面多汗症についても他に有効な治療があまりないため第1 選択であるが,刺激皮膚炎や粘膜への外用を避けることが必要である
医療レベルでは、顔に有効な治療があまりないということです。どうしてなのかわかりませんが、フェノールスルホン酸亜鉛が有効成分になっている外用薬は、医薬品にはありません。
そこで、顔用の制汗剤の出番となるわけです。
顔汗に悩まされているけれどまだ顔用の制汗剤を使ったことのない人は、テサラン フェイスをぜひ試して下さい。多汗症の治療を受けながら使うこともできます。
上にも書きましたが、フェノールスルホン酸亜鉛は制汗効果が弱めなので、効果を感じられない人もいます。もしあなたに合わなかったら、それは残念なのですが、365日返金保証があるのでお金だけは返してもらえます。
アマゾンや楽天市場でもレビューが出ていますけれど、そちらで買うと返金保証がありません。返金保証が受けられるのは、公式サイトから申し込んだ人だけですので、くれぐれもご注意下さいね。
さて、ここまで汗をかく仕組みを邪魔する方法を説明してきましたが、実はこれも対症療法といえます。
そもそも、交感神経が過緊張するのは、なにか大本の原因があるかもしれません。実際、他の病気が原因で顔汗がひどくなることがあります。
また、自律神経の乱れは更年期やストレスからくることもあります。女性の場合は、生理も自律神経が不安定になる要因のひとつですね。
顔汗がひどくなる要因は、さまざまです。ここであげた対症療法とは別に、内科や皮膚科を受診して他に原因がないか調べることをおすすめします。
大本の原因が見当たらない場合は、原発性多汗症とよばれます。原因がなんだかわからない多汗症ということなので、対症療法以外の対処法はないのですけれど、大きな病気が隠れていないことがわかれば、それはそれで安心することもできます。
まとめ
制汗剤の有効成分は、50年以上も前から変わっていません。でも制汗剤はむかしからあるのに、顔の制汗剤はようやく最近になって販売されるようになりました。
デリケートで人の目に触れる場所なので、なかなか開発が難しかったのでしょうかね~
手術だとか注射だとか大事になるまえに、とりあえず今日顔汗を止めたいという人は、返金保証もしっかりあるのでぜひ試してみて下さいね!
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