パート先で扶養を外れるといわれたら 負担とか夫の税金とか

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パートをはじめるときに「扶養を外れることになるけど、いいですか?」と聞かれたらどうしますか?

よくわからないから、とりあえず「いいです」と答えてしまうと後から後悔しますので、聞かれる前に、扶養を外れるとどうなるのか、知っておきましょう。

パート先で扶養を外れるといわれたらどうする

パート先で「ご主人の扶養から外れることになるけれど、いいですね?」と人事の人に聞かれたとします。

このときに人事の人がいっているのは、あなたがパート先で「社会保険」に加入することになるけれど「いいですね?」という意味です。

※ あなたの健康保険が国民健康保険ならば何の問題もありませんので、この章は読み飛ばして下さい。

あなた自身が健康保険の被保険者になるので、旦那さんの加入している社会保険では「被扶養者」の資格を失うことになりますが、それで大丈夫ですね、と確認しているのです。

社会保険に加入できることは、本来とてもいい話です。保険料の半分は勤め先が負担してくれるうえに、将来あなたが受けとれる年金も増えますからね。勤め先も、パートさんを社会保険に加入させるくらいなら、きっとしっかりした会社です。

どんなときにあなたが社会保険に加入できるのかは、こちらの記事に詳しく書きました。よく知っておきたい方は、まずこちらの記事をお読み下さい。

関連記事>>>パートで扶養を外れるタイミングと手続き 健康保険はどうなる

でも、人事の人がわざわざ確認するのは、あなたが「被保険者」になるとよくないこともあるからです。

おわかりかもしれませんが「働き損」の問題です。

働き損とは、あなたが旦那さんの扶養を外れて働くと、扶養を外れる前よりも家族全体の手取り収入が減ってしまうことです。

扶養に入っていると、あなたは無償で健康保険証がつかえます。国民年金の掛金も支払いませんが、扶養に入っている間は国民年金の第3号被保険者として、掛金が免除されています。

でも、扶養を外れるとこの優遇措置がなくなって応分の負担をすることになるので、手取り収入が減ってしまいます。

とりあえずあなたが負担する保険料の分は、手取り収入が減ることになりますね。

その金額は月収にもよりますが、少なくとも月1万2~4千円、年間15万円ぐらいにはなります。

ちなみに、もともとあなたには収入がなく今回はじめてパートをするのなら、手取りが減る「働き損」はありませんが、扶養を外れないように働いたほうが手取りが多いことがあるのは、知っておいたほうがいいと思います。

扶養を外れる負担はほかにも

扶養を外れるときの負担は、あなたの社会保険料だけではありません。

旦那さんの給料明細に「家族手当」とか「扶養手当」という項目があるなら、あなたが扶養を外れるとこの手当も支給されなくなると思います。月数千円から2万円ぐらいにはなるのではないでしょうか?

この手当がなくなると、社会保険料の負担と同じくらいの年間10数万円の単位で、旦那さんの手取りが減ることになります。

さらに、あなたの収入が増えると、保育園利用料が上がったり、高校の就学支援金が減らされたりするかもしれません。どちらも年間10万円単位の影響が出ますから、この年頃の子供がいる家庭では、けっこうインパクトの大きな問題になるでしょう。

保育園利用料も高校の就学支援金も、金額を決めるのは世帯所得です。その世帯で所得がある人全員の所得を合算して、所得が多い世帯ほど負担が大きくなるように制度設計されています。

だから扶養を外れる云々とは直接関係のないお話ですし、旦那さんが出世して給料があがっても同じ課題が出てくることになります。でも、あなたが仕事をがんばって家計の収入を増やそうと考えているのなら、どちらも無視できない要素になると思います。

旦那さんの勤め先の給与規定や、お住いの自治体の保育園利用料、高校の就学支援金の決定基準をよくみて、あなたの給料や世帯所得がいくらになると負担がどれだけ増えることになるのかを、確認しておきましょう。

扶養を外れると夫の税金は増える?

税金でも「扶養控除」という形の優遇措置があります。

扶養について、103万円の壁とか150万円の壁といわれることがあります。これは税金面でいわれる扶養の優遇措置の境界ですが、家計全体の手取りということでみれば、実は壁というほどの問題はありません。

つまりあなたが扶養を外れても、税金の面では心配することはありません。

というのは配偶者(妻や夫)の場合、扶養の優遇措置は2階建てになっていて、扶養を外れる影響が徐々にしか出ないように配慮されているからです。

配偶者の扶養の優遇措置は「配偶者控除」と「配偶者特別控除」があります。

旦那さんの税金の計算をするときに、あなたの給料が年間103万円までなら配偶者控除、103万円超201万円までなら配偶者特別控除で、旦那さんの課税所得を減らすことができます。

あなたの収入が増えるにつれて、旦那さんの課税所得を減らす控除額は減っていきますので、旦那さんの税金は増えるのですが、増える税金以上にあなたの収入が増えるので、家計全体でみたときの手取り収入は、あなたが収入を増やすほど大きくなります。

夫の税金は増えるのですが、それ以上にあなたの収入が増えるので、旦那さんの理解さえあれば何の問題もないです。ときどき自分の手取りが減ることを嫌がる人もいないことはないですが、そこはよく夫婦でお話をして納得してもらいましょうね。

まとめ

パート先で社会保険に入れるのは、将来受け取る年金が増えるし、出産や病気で仕事を休まなければならなくなったら一時金や手当がもらえますので、けっして悪い話ではありません。

でも、とりあえずの手取り収入を減らす要因にはなってしまうので、扶養を外れることの影響がどのくらいのものなのかは、しっかりチェックしておきましょう。

こちらの記事では、実際の金額も試算してみましたので、興味がある方はご覧下さい。

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