サッカー日本代表オマーン戦の評価とスタッツ【2022ワールドカップアジア最終予選】

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サッカー日本代表は、2022ワールドカップアジア最終予選で絶対に負けられないアウェーのオマーン戦を1対0で勝利しました。

ライバルのオーストラリアが中国と引き分けるという幸運もあり、10戦中6戦を終えた段階で本大会出場圏内の2位に浮上した日本代表チーム。

後から振り返ると、あの試合がターニングポイントだったと評価される重要な試合になったと思います。

サッカー日本代表オマーン戦の評価は?

サッカー日本代表は、敵地マスカットのスルタン・カブース・スタジアムでオマーンに対して1対0の勝利をおさめました。

絶対に負けられないオマーン戦で勝利を呼び込んだのが、ロシアW杯の中心メンバーと交代出場をした東京五輪世代のコンビだったことは、世代交代を強く印象づけました。

2021年11月16日は、日本代表チームの世代交代が進むターニングポイントになった日と、後年評価されるゲームになったと思います。

これが、先発メンバー。

 

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この中でロシアW杯の試合に出場したのは吉田、大迫、柴崎、長友の4人でした。

怪我がなければ、ここにDF酒井宏樹も名を連ねていたでしょう。

オマーン戦の唯一の得点は、ロシアW杯の中心選手と交代した選手から生まれました。

柴崎に替わって後半の頭から出場したMF三笘薫と、後半17分から長友に替わって出場したDF中山雄太です。

後半のスタートは、両サイドバックを除くとこちらの記事でスタメンと予想したメンバーになっていました。

結局左SBも長友から中山に替わったわけですから、最初からこのメンバーでいけば前半も有利にゲームを進められていたのではないか、と思わなくもありません。

ただ長友や柴崎は、そこまで悪いプレーをしていたわけではありません。

長友はここ数試合の中では最もよい出来で、前半唯一といってもよい決定機は、長友が左サイドを突破して上げた見事なクロスボールから伊東がシュートしたシーンでした。

柴崎が主にプレーした右サイドは、伊東が徹底的にマークされ、右SBの山根も代表に馴染んでいないようでまだ迷いながらプレーしているようなでした。

柴崎はサウジ戦ほど不安定なプレーではなかったし、所属チームでは10月のベストプレイヤーに選出された位なので、決して調子が悪いわけではないはずです。

でも、人を使ってナンボというプレースタイルなので、徹底マークにあった伊東や、まだ迷いを抱えながらプレーしている山根と組んで違いを見せるのは、柴崎には難しいミッションだったかもしれません。

ところが膠着した前半の流れは、後半開始わずか30秒、三笘の2人抜きのドリブルで一変します。

三笘のドリブルは、後半の序盤でオマーンの右サイドを混乱させます。

時間が経つにつれて、対面するオマーンの選手も対応を修正してきましたが、三笘がドリブルすると2人目、3人目がカバーするために引きつけられて、オマーンは全体に自陣に押し込まれます。

三笘が対面する相手を抜けずにボールを失っても、オマーンは選手の立ち位置が崩れているため、奪ったボールをうまくつなげなくなり、日本はオマーン陣内ですぐにボールを回収できるようになりました。

森保監督の采配もいつもより早く、15分過ぎには南野と長友を替えて古橋と中山を起用します。

古橋の投入後のフォーメーションは、古橋と大迫の2トップになっていたように見えました。

古橋の特徴を活かす4-4-2になっていたとすれば、この前の試合まで4-2-3-1か4-3-3を守り続けていた森保監督の決まりきった采配は、このゲームでは変化していたことになります。

そして、中山が高い位置でボールを奪取して三笘につなぎ、三笘のドリブルから伊東の決勝点が生まれました。

このシーンを、ベンチに下がった長友と柴崎はどんな気持ちで見ていたでしょう。

少なくとも、次の試合で自分に替わって中山と三笘が先発に使われても、納得せざるをえないのではないでしょうか?

森保監督は所属チームで明らかに好調な選手よりも、代表で実績のある選手に重きを置きます。

所属チームで試合に出られなくても、怪我明けでコンディションが今一つでも、過去の実績がある選手を起用し続ける傾向があります。

おそらくこれは、森保一という人物の根幹にかかわる選択なのでしょう。

その姿勢と、代表の都合よりも選手の事情を優先する態度が、中心選手から信頼されている理由でもあると思います。

だから、主力選手が納得のいかないままスタメンを外されるのは森保流ではなくて、序列を下げられ外される本人が納得せざるをえない状況になって、はじめてスタメン選考を変えられるのでしょう。

ベトナム戦、オマーン戦で三笘と中山がスタメンにならなかったのは、これが理由だと思います。

森保一という人が、そういう人なのです。

メディアをはじめとして、この弱小ブログのような外野がいくら選手起用がおかしいといったって、森保監督には届いていないでしょう。

W杯の出場権を確保しながら、外される側が納得できる世代交代を進めるのは、相当難しいミッションですが、森保監督は困難な仕事をカタチにし始めています。

今回ようやく、三笘は柴崎に引導を渡し、中山は長友に引導を渡すことになりました。

三笘は同時に、左サイドで南野を起用するよりもよい選択肢があることも証明しました。

次の代表チームの活動は来年1月になりますが、日本で行われる1月27日の中国戦、2月1日のサウジアラビア戦は、コンディションがプレーできる状態ならば三笘と中山が先発すると予想します。

あわせてオマーン戦の前半の停滞は、出場停止で不在だった守田の株を上げる結果にもなったと思います。

4-3-3が機能するには、守田の気の利いたプレーが必要です。

守田が戻ってくれば、4-3-3の中盤3枚は遠藤、守田、田中が第一選択になるでしょう。

森保監督の代表チームで最多得点をしている南野も、インサイドハーフに回れば序列が守田、田中の後ろになります。

ここには原口も鎌田も堂安も、さらに怪我が治れば久保建英もいます。

南野でも、三笘が力を発揮してチームに与える効果を示したことで、これまでのように先発が約束された立場ではなくなりました。

サッカー日本代表のオマーン戦のスタッツ

2021年11月16日日本オマーン
ボール支配率64%36%
シュート数144
枠内シュート数40
コーナーキック40
得点10

スタッツを見れば、オマーンが日本に勝てる要素はなかったことがわかります。

枠内シュート0でコーナーキックすらありません。

データには出ていませんが、オマーン戦ではデュエルの勝率も相当高かったと思います。

ちなみに黒星となった初戦のオマーン戦のスタッツは以下のとおりです。

2021年9月2日日本オマーン
ボール支配率65%35%
シュート数1012
枠内シュート数46
コーナーキック36
得点01

ボール支配率は同じようなものですが、シュート数やコーナーキックの数がまったく違うことがわかります。

それぞれメンバーは多少違いますが、最大の違いはコンディションです。

日本で開かれた初戦は、オマーンのコンディションが圧倒的によかったため、日本は負けてしまいましたが、地力では日本に大きく分があります。

アジアで日本と互角の力があるのはイラン、韓国、オーストラリア、サウジアラビアそしてW杯開催国のカタールぐらいです。

コンディションが同等なら、他のアジアの国に日本が負けることはありません。

カタールワールドカップのアジア最終予選は、残り4試合です。

オマーン戦の勝利の裏でオーストラリアが中国と引き分けたので、日本代表は自力で出場権を得られるところまで回復してきました。

オマーン戦の後半は、久しぶりにワクワクする日本代表の姿を見た気がします。

そして久保建英をはじめ、この試合に出ていないタレントはまだいます。

出場権を逃すかもしれないという極度の重圧からは、選手も監督も解放されたと思います。

予選の残りの試合は、躍動感あふれるゲームを期待したいですね。



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