新型コロナ治療薬としてレムデシビルがアメリカで承認!日本では使えるの?

美容・健康
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米食品医薬品局(FDA)は、22日に米ギリアド・サイエンス社の「レムデシビル」を新型コロナ治療薬として承認しました。

レムデシビルは、もともと2013年から流行したエボラウイルスの治療薬として開発が進められていた薬です。今回、アメリカで初めて承認された新型コロナ治療薬となりました。

FDAが新型コロナ治療薬としてレムデシビルを承認

FDAは、

「COVID-19で入院を必要としている成人と、12歳以上かつ体重40キログラム以上の小児患者の治療」において、レムデシビルの使用を承認した

と発表しています。

FDAのスティーヴン・ハーン長官は、「本日の承認は、FDAが厳格に評価した複数の臨床試験によるデータに支えらえており、COVID-19の大流行において重要な科学上の節目となる」と言っています。

ギリアド・サイエンス社は、今年2月には今回のデータをとるための臨床試験を開始したと発表していました。レムデシビルを投与した患者は、比較対象のために偽薬(ブラセボ)を投与した患者と比べて、5日早く回復したということです。

WHOはレムデシビルに効果はなかったとしている

一方で、世界保健機構(WHO)は16日(金)、

抗ウイルス薬「レムデシビル」が新型コロナウイルス患者の生存率にほとんど影響を及ぼさない

という独自調査の結果を発表していました。

WHOによれば「世界各国で実施した新型コロナ治療の調査でレムデシビルは患者の入院期間や死亡率に大きく影響しなかった」ということです。

開発元のギリアドは、WHOの研究はその他の研究と「一貫性がなく」研究結果は認められないと声明を出しています。

WHOの調査研究には、科学的な信頼性が欠けていると指摘しているのですが、WHOが研究結果を論文として公開していないため、第三者の審査・検証を受けていない点が突っ込まれているのですね。

FDAのハーン長官が「厳格に評価した複数の臨床試験によるデータに支えらえており」とコメントしているのは、WHOを意識してのことでしょう。

ちなみに、対象となった臨床試験には日本で行われたものもあるそうです。

レムデシビルに関してわずか1週間の間に、世界的に権威のある2つの組織からまったく正反対の結論を聞かされることになりました。

「WHOが中国寄りだ」とトランプ大統領が大々的にキャンペーンを張っていたことを思い起こすと、国際政治に絡む裏があるのではないかと疑念を持ちたくなるところなのですが、FDAが承認したという事実は重要です。

トランプ大統領の治療にも、レムデシビルは使われたということです。

すでにロシアでは治療薬が承認されていましたが、FDAをはじめとした先進国の医薬品承認基準を満たすものではありませんでした。

今回、FDAがレムデシビルを承認したことは、日本でも使える初の新型コロナ治療薬ができたことになります。

レムデシビルの商品名は「ベクルリー」です。今後は「ベクルリー」という表記も使われることになりそうです。

レムデシビルは日本で使えるの?

5月にアメリカでFDAが「緊急使用」を許可したことを背景として、日本では「特例承認」という形でレムデシビルが医療現場で使用できるようになっています。

特例承認は「緊急に使用する必要があり、他に方法がなく、すでに海外で承認されている」薬に限って適用できるルールです。ここでの「海外」は、アメリカ・イギリス・カナダ・ドイツ・フランスに限定されています。

今回、米FDAが正式に承認したことで、日本では現在重症患者に限定されているレムデシビルの使用が広がる可能性はあるでしょうか?

問題は、供給量がどうなるかでしょう。

ギリアド社は5月の段階で、日本を含めた世界で14万人分の治療薬を無償で提供すると公表していますが、もちろん世界中の患者数に比べると、この量は限定的です。

FDAの正式承認が下りたので、ギリアド社も製造能力を強化していくと思いますが、現時点ではどれだけ作れるのか、日本にどれだけ輸入できるのかはまだわからないと思います。

そういうわけで「重症患者に限定した投与」はすぐには変わらないと思いますが、新型コロナ感染症もインフルエンザのように罹っても治療できる感染症になる未来が見えてきたのではないでしょうか。


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