ふるさと納税の還元率が規制されることになりそうです。
与党税制調査会で、2019年の税制改正大綱案が決まりました。この中に、ふるさと納税の還元率を3割以下にする法改正案がふくまれています。
還元率が3割以下になるのはいつからなのか、泉佐野市をはじめとして還元率の高い自治体の返礼品がどうなるか、気になりますね~
ふるさと納税の還元率が規制されることになりそうです
ふるさと納税の還元率が規制されることになりそうです。
本日の与党税制調査会で決まった2019年度の税制改正大綱案の中に、ふるさと納税の還元率を3割以下に規制する、地方税法の改正が含まれているそうです。
今回決まった改正大綱案は、年内の閣議で正式に決定されると、来年度の税制改正法案として年明けの通常国会で審議・採決されます。
法改正が正式決定されると、ふるさと納税の寄附金控除のうち、住民税の特例分が適用されるのは総務大臣が指定する自治体に限定される、ということのようです。
つまり、総務大臣の指定を受けられない自治体への寄附金は、通常の寄附金控除と同様に所得税分と住民税の基本分のみが控除になります。2,000円の自己負担では済まなくなってしまうのですね。
今の法律では、総務大臣に自治体が決めた返礼品を覆す権限はありませんが、法が変わると、事実上総務大臣が認めない返礼品は、自治体が採用できなくなります。
ふるさと納税の還元率の規制はいつからはじまるか
2019年の税制改正は、よっぽどのことがない限り、来年の通常国会で成立します。今の報道では、2019年6月に地方税法の改正は施行されるということです。
ということは来年6月以降、総務相の認める自治体への寄附金だけが、住民税の特例分を控除できることになります。
今回の法改正では
- 還元率を3割以下とする
- 返礼品は地元の産物に限る
が、ふるさと納税の適用を総務相が認める条件とされます。
法律で条件が定められてしまえば、総務相が誰になろうと還元率は3割以下でなくてはいけなくなりますし、「地元産」をどう解釈するかで多少の幅はあるにしても、明らかに他の市町村で生産された品物を返礼品にすることはできなくなります。
ふるさと納税の還元率は泉佐野市も下がるのか
今回の法改正は、ふるさと納税獲得金額が全国一の大阪府泉佐野市をはじめとした、返礼品の還元率が高い自治体には、相当な打撃となりそうです。
2018年の7月に公開された総務省の「ふるさと納税に関する現況調査結果(平成29年度実績)」には、以下のリストがはじめて載りました。
<返礼割合3割超の返礼品及び地場産品以外の返礼品をいずれも送付している市区町村で、平成30年8月までに見直す意向がなく、平成29年度受入額が10億円以上の市区町村>
総務省は、このリストを公開する前に総務大臣名で道府県知事宛に通知を出して、返戻割合3割超、地場産品以外の返礼品を提供している市町村に、間接的な自粛要請を出していました。それでも行いを改めなかった自治体のリストがこちらです。
リストのタイトルで太字のところが注目点です。
総務省からみれば、お上に楯突く扱いにくい自治体で、いわばブラックリストだったわけですが、反面このリストは、信頼性の高い高還元率の自治体リストでした。
今回の法改正は、まさにここに掲載された自治体を狙い撃ちしたものといえます。
住民税特例分の控除が使えなければ、寄附する立場ではふるさと納税の経済性が著しく減じます。総務大臣の指定を受けられない自治体への、ふるさと納税の寄附金は激減すると思われます。
泉佐野市の担当の方は、このままではふるさと納税を離脱せざるを得ない、とコメントしていたようですが、寄附金が集められなければ、3割を超える高還元率を維持しても、地場産ではない豪華な返礼品を用意しても、意味はありません。
2019年6月以降は、今とは様変わりの返礼品リストになっているのではないでしょうか。
まとめ
今後、明らかに還元率の高い返礼品は減っていくでしょう。今ある在庫がはけたら、品物を追加で調達しない自治体も増えてくると思います。
一方で、とりあえず来年の5月までは、どこに寄附しても住民税の特例控除が使えることも、ほぼ確定したわけです。いいものがあったら、安心して寄附することができますね。
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