国民健康保険で扶養を外れるとどうなる?世帯収入が減少する理由

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国民健康保険で扶養を外れるとしても、家族全員の収入でみればあなたの仕事が働き損になることはありません。国民健康保険に限れば、扶養を外れるデメリットは存在しないのです。

ただ健康保険と税金以外の理由でも、世帯収入の手取りが減少する「働き損」があるので、それには注意して下さい。

国民健康保険で扶養を外れるとどうなる

冒頭から何なんですが、国民健康保険には「扶養」の枠組みがありません。

はぁ?という声が聞こえてきそうですが(^_^;)
まずその点から説明します。

国民健康保険は生まれたばかりの赤ちゃんも含めて、同じ世帯の人は全員が被保険者となります。保険料は世帯人数(被保険者数)と世帯所得によって決まり、世帯主に請求されます。働いて所得のある人が世帯主ひとりだけでも、共働き世帯のように両親それぞれに所得があっても、さらに子供が稼いでいるとしても、保険料は世帯主宛てに請求されます。

支払いを世帯主がする形になるので、世帯主に扶養されているようにもみえます。

でも、収入のない人も被保険者となって保険料が課されていますから、扶養に関わる優遇措置はありません。

社会保険の被扶養者のように、無償で健康保険が使えたり年金の掛金がかからないといったメリットが、国民健康保険には存在しないのです。これが、扶養の枠組みがないという意味です。

では国民健康保険で「扶養を外れる」といわれるのは、何のことでしょう?

これは、世帯主以外の国民健康保険の被保険者が、外で仕事をはじめて勤め先の社会保険に加入する場合があたります。

たとえばあなたの勤め先が社会保険適用事業所の場合、働き方、雇用契約の内容によっては、その勤め先の社会保険に加入することになります。勤め先で社会保険に入ると、国民健康保険の被保険者から外れ、年金も国民年金から厚生年金に切り替えることになります。

どのような働き方、雇用契約なら社会保険に加入することになるかは、こちらの記事に詳しく書いていますので、関心のある方はぜひお読み下さい。

関連記事>>>パートで扶養を外れるタイミングと手続き 健康保険はどうなる

当然、あなたは社会保険料を新たに負担することになりますが、国民健康保険のほうは世帯人数がひとり減るので、世帯主に請求される毎月の国民健康保険料と国民年金の掛金がひとり分減少します。差し引きすると、世帯主の負担減の方が大きくなるので、世帯所得はむしろ増えることになります。

社会保険に加入できると、勤め先が医療保険の保険料や厚生年金の掛金を半額負担してくれるし、将来の年金額は厚生年金分が国民年金に上乗せされるので、大いにメリットがあります。あなたに社会保険に入れる機会があるなら、断る理由はありません。ぜひ加入しましょう。

残念ながら仕事先が社会保険適用事務所ではないときや、あなたがフリーランスで個人事業主として仕事をしている場合は、国民健康保険にそのまま加入していればいいです。健康保険と年金に関しては、あなたの収入がいくら増えたとしても何も変わることはありません。

国民健康保険に加入している人には、旦那さんの扶養に入っている奥さんが収入を増やしたいときに立ちはだかる「130万円の壁」のような、扶養を外れたために働き損になる収入の境界がありません。好きなだけ仕事をしても、働き損を気にしないでいい自由が、国民健康保険の加入世帯にはあります。

世帯収入が減少する理由は他にもある

前章で書いたように、国民健康保険の世帯の主婦にはいわゆる「収入の壁」は存在しません。

でも扶養に関する話とは別に、子供がいる世帯だと世帯所得が増えることで返って手取りのお金が減る可能性のあるものがあります。

それが世帯所得によって金額が決まる、保育園利用料と高校の就学支援金です。

どちらも居住地の市区町村の子育て支援政策の一環ですが、世帯全体の所得が増えると、段階的に月次の保育園利用料は上がり、高校の就学支援金は減ります。世帯の所得が一定以上の高額所得世帯では、所得制限にかかる場合もあります。

どちらも、世帯所得がある境界を超えると急に負担が増えるので、よくいわれる社会保険の「130万円の壁」や「106万円の壁」と同じくらいのインパクトがあります。つまり、世帯所得がある境界を超えて増えると10万円の単位で「働き損」になるゾーンがあるのです。

世帯所得と保育園利用料、高校の就学支援金の金額との関係は、お住いの自治体のウェブサイトなどで知ることができると思いますので、あなたが仕事を増やして世帯所得を増やそうとするときにはぜひ確認しておきましょう。

まとめ

「収入の壁」に関しては、所得税の配偶者控除と配偶者特別控除に関する「103万円の壁」と「150万円の壁」(実質的に働き損になる壁はありません)や、社会保険の「130万円の壁」と「106万円の壁」についてはよく語られますが、自治体の子育て支援が「働き損」の原因になることを説明している記事は少ないように思います。

この記事をここまで読んでいただけたのなら、ぜひ子育て支援政策がご自分の手取り収入に与える影響を知ってからガンガン仕事をして稼いで下さいね♪

実際に子育て支援がどのくらいのインパクトがあるか知っておきたい方は、こちらの記事も参考になると思います。長~い記事の一番最後で具体的な影響が書いてありますので、よかったら読んでみて下さい。

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