扶養の意味がわからない?入る入らないの基準と損得計算の仕方も紹介

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扶養の意味がわからない?

「扶養」と聞いてもいまいちピンと来ない方のために、これさえ知っておけば扶養がわかるという大枠の話を書いてみました。

ひと言で扶養といっても、それが何を指すのかは話す人によってちがうことがあります。大枠の話を知っておけば、どういう意味で「扶養」と言っているのかが理解できるようになりますよ。

扶養の意味がわからない?

まず整理しておきたいのは、扶養には税金に関するもの、年金や健康保険に関するもの、勤め先の手当に関するもの、の3つがあることです。

扶養の話になったら、3つのうちのどれについての話なのかを意識すると混乱しないで済みます。

扶養がわかりにくいとしたら、たいていは3つの話をゴッチャにしているからです。

で、扶養は3つあるということがわかったところで言葉の意味を辞書で引くと

自分の力だけでは生活を維持できない者に対する生活上の援助。

(出典:ブリタニカ国際大百科事典)

助け養うこと。生活できるように世話すること。

(出典:大辞泉 第三版)

となっています。

つまり、自力で生活できない人を助ける行為が扶養です。

二人以上の家族がいれば、扶養する人と扶養される人がいる可能性があります。

家族構成はいろいろあるので一概にはいえませんが、いわゆる一家の大黒柱、一番お金を稼ぐ人が扶養する人で、この人が世帯主にもなります。それ以外の家族には、多くの場合に扶養される人がいます。

扶養する人は、家族の生活がその両肩にかかってくるので大変です。

そこで社会的にサポートしましょう、という主旨で、世帯主には金銭的な優遇措置が適用されます。

税金、年金や健康保険の社会保険、手当に関して「扶養」という言葉が出てきたら、この優遇措置に関する話をしています。

所得税法では、扶養される人の属性に応じて扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除などの優遇措置があり、扶養する人の所得税が安くなります。

社会保険では、扶養される人は掛金を払わずに健康保険が使えて、年金を積み立てることができます。

勤め先や自治体の手当は、扶養される人の数、年齢、生活の状況に応じて、扶養する人に給料に上乗せされたお金が支給されます。

扶養に入る入らないの基準は

扶養に入るというのは、扶養される人になる、という意味です。

世帯主が金銭的な優遇措置を受けることができます。

扶養に入る条件、入らない条件は、所得税の基準、社会保険の基準、手当を出す勤務先の基準がそれぞれにあります。基準が適用されるタイミングもそれぞれです。

意思に関わりなく基準を満たせば扶養に入るし、基準から外れると入れません。

扶養に入る人は「自力で生活できない人」ですから、その人が一定以上の収入や所得を稼げるようになると、基準から外れます。

「所得という言葉がわかるようなわからないような。。。」という方は、こちらの記事も読んでみて下さい。できるだけわかりやすく書いてみました。

関連記事>>>所得税の計算方法を簡単に説明 合計所得金額と控除額の計算

また世帯主に一定以上の所得があると、扶養するのがそこまで負担ではなかろうということで、所得税は優遇措置の適用がなくなります。自治体から支給される各種の手当も、一定以上の所得がある世帯主には適用されないものがあります。

収入が多い世帯は、実態はともかくとして家計に余裕があるだろうということで、扶養に関する優遇措置は少なくなります。扶養に入るか入らないか、という問いとは無縁の存在です。

「国民健康保険」にも、扶養に関する優遇措置はありません。国民健康保険の加入世帯が金持ちだからというわけではないのですが、国民健康保険の加入世帯では「社会保険の扶養に入るか入らないか」という問題に悩まされることはありません。

扶養の損得計算

扶養の損得計算は、優遇措置のあるなしで考えると簡単です。

今受けている扶養の優遇措置で、いくら得しているのかわかるでしょうか?

計算ができる方は算出してみて下さい。その算出金額が、扶養から外れたときに損する金額です。

ただしこの方法だと、社会保険の扶養から外れたときの損はわかりません。扶養される人の社会保険は無料ですからね。

社会保険の場合は、扶養を外れて社会保険に加入するといくらかかるかを計算しましょう。その金額が、扶養を外れたら負担する金額です。

扶養内でいること、扶養を外れることの損得を、こちらの記事に書いてみました。ご興味のある方は、ぜひお読み下さい!

関連記事>>>パートは扶養内でいくらまで? 勤務時間は? 扶養手当の基準にも注意

扶養の優遇措置がなくなることによる目先の損だけに目を向けていると、家計全体の収入が増やせる可能性を見落としているかもしれません。

収入が増やせる可能性を感じているのなら、扶養から外れるという選択もありだと思います。優遇されていた分のマイナスが埋められれば、あとは家計の収入が増えるだけですからね♪

※ 収入がいくらになれば、扶養を外れても手取りが増やせるかを具体的に知りたい方は、こちらの記事も参考になると思います。ぜひお読み下さい。

関連記事>>>扶養を外れる損得 主婦の収入の壁とは何か 損益分岐点はいくらか

まとめ

扶養がわかりにくいのは、3つのちがう制度に同じ「扶養」という言葉が使われるからではないかと思っています。どの扶養についての話かがわかっていると、混乱しないで済みそうだと思って、この記事を書きました。

扶養の話のときは「どの扶養?」と頭の隅で一瞬考えてから、話を聞いてみて下さい。

この記事が、頭の整理の役にたてば幸いです。

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>>>扶養、扶養控除、扶養家族に関する記事の一覧

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コメント

  1. 関秀樹 より:

    個人事業主です。家に年金暮らしの父、母がいます。父は72歳。母は70前です。父は同居老親等、母は一般扶養親族になるのでしょうか?両人とも控除対照になりますか?二人とも収入はないです。

    • ホペイロホペイロ より:

      関秀樹さま

      同居のご両親それぞれに年金収入があるということですね。

      お二人の昨年の「公的年金等に係る雑所得」の金額が38万円以下ならば、控除対象扶養親族に該当します。この場合は、お考えの通りと存じます。

      ご両親の所得金額をご確認ください。

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