花粉症の人が急に肌荒れもひどいことになったら、それは花粉症皮膚炎かもしれません。
花粉症で肌荒れもひどいときにどんな薬を使えばいいのかとか、どんな対処法があるのかをまとめました。
花粉症で肌荒れがひどいのは?
花粉症に悩まされている人の中にはそれまではなんともなかったのに、急に肌荒れがひどい状態になる人がいます。
特に女性に多く発症するのが、花粉が原因で肌にアレルギー症状が出る「花粉症皮膚炎」です。
花粉症は、花粉が鼻の粘膜や目の粘膜に触れて発症します。
鼻のかみすぎや、かゆみで目の周りを掻いてしまって肌がごわごわしたりひび割れてしまうような、花粉症の二次災害的な肌荒れとちがって、花粉症皮膚炎は花粉が肌に付いてアレルギー反応を起こすことで発症します。
花粉症皮膚炎は女性に多く、男性はほとんど罹らないとされていますが、その理由はもともと女性の方が肌が薄くてバリア機能が弱いことや、日頃お化粧をすることで肌への負担が大きいことなどでしょうか。
それまでなんともなかったのに、ある日突然肌が赤くなったりかゆくなったりします。
肌が露出している顔や首の皮膚が炎症を起こしやすく、目のまわりや首は皮膚が薄いので、かいてしまうと色素沈着して黒ずみやすいことから、美容の観点からもやっかいです。
- 肌の乾燥がひどくなって粉を吹いている
- 肌がカサカサになってかゆい
- ニキビみたいな赤いブツブツ(湿疹)ができる
- マスクが擦れて肌がヒリヒリする
- 皮膚がヒリヒリ、かゆい
- 目の周り、口の周り赤くなって炎症を起こす
- 皮がむける
- いつも使っている化粧水や保湿液がしみるようになった
こんな症状が急に出るようになったら、それは花粉症皮膚炎の可能性があります。
花粉症ではないと思っている人も発症することがあるので、花粉症がひどくなりやすい時期に急に肌荒れがひどくなったら花粉症皮膚炎を疑う必要があるかもしれません。
花粉症で肌荒れしたときの薬
花粉症皮膚炎の場合、薬はステロイド系の外用薬(塗り薬)をよく使います。
ステロイドは副腎皮質ホルモンという人のホルモンの一種で、すぐれた抗炎症作用、免疫抑制作用があります。
ステロイドというと副作用のリスクが高い、依存性常用性がある、などというイメージをお持ちになるかもしれません。たしかに、ステロイドが配合された注射薬や飲み薬は副作用の可能性が高いため、日本では病院を受診しないと使えない処方薬としてのみ利用されています。
でも、ステロイド系の外用薬(塗り薬)には市販薬も多くあります。
塗り薬は局所的に作用するので、短い期間で正しい用法・容量で使う分には、副作用の心配はほとんどないとされています。
外用薬の市販薬と処方薬の違いは、薬の強さです。
ステロイド系外用薬は、市販薬も処方薬も効き目の強さを基準に、以下のように5段階に分類されています。
- 最も強い(Storongest)
- とても強い(Very Strong)
- 強い(Strong)
- 普通(Medium)
- 弱い(Weak)
上2つは処方薬にしかありません。市販薬は最強レベルでも「強い(Strong)」までです。
花粉症皮膚炎かもしれないと思ったら、できるだけ早く皮膚科を受診しましょう。もちろんすでに花粉症になっていてかかりつけのお医者さんがいる人は、その先生にまず相談しましょうね。
花粉症皮膚炎かどうかの判断や、そうだったときの治療の確実性を考えれば、まずお医者さんに診てもらうことが、病気をこじらせないためには重要です。
でもなかなかお医者さんにいけない事情があるときは、つなぎで市販薬を使うことも考えて下さい。
以下に、薬局で買うことができるステロイド系の塗り薬をご紹介します。
ステロイド系外用薬の市販薬
もし市販薬で症状が治まるなら、わざわざ受診することもないそうです。でも1週間たってもラクにならないときは、ぜひとも皮膚科を受診して下さいね。
花粉症で肌荒れしたときの対処法
花粉症で最も効果のある対処法は、花粉を近づけない、花粉に近寄らないことです。
花粉症皮膚炎でも、この極意は通用します。花粉に接触しないため、花粉を部屋に持ち込まないためにできることはいろいろあります。
肌の露出はできるだけ減らしましょう。花粉症用のマスクや花粉症用のメガネは、かなり効果があります。
マスクは、飛散の多いときに吸い込む量をおよそ3分の1から6分の1に減らし、鼻の症状を軽くさせる効果があります。また、発症していない方も、吸い込む量を少なくすることで、新たに発症する可能性を低くすることが期待されます。眼鏡もまた、飛散の多いときには、目に入る量を2分の1から3分の1まで減らすことができるので、目の症状を軽くさせる効果があります。
引用:ロート製薬花粉症Q&A
髪の毛は花粉がつきやすいので、髪をまとめて帽子で覆うことも効果があります。
帰宅直後はすぐに洗顔、すぐにうがいを心がけて下さい。
ストレス、睡眠不足、お酒の飲み過ぎは、アレルギー症状を悪化させます。ご注意を。
いったん花粉症皮膚炎にかかってしまったら、セルフケアだけで症状を抑えるのは、なかなかむずかしいといわれています。ぜひ皮膚科を受診しましょう。
ふだん使える化粧品が合わなくなったら、それはお医者さんに診てもらうタイミングというサインです。敏感肌用化粧品を探し回るよりも、皮膚科を受診する方が早く楽になれます。
まとめ
花粉症で肌荒れがひどいときは、花粉症の治療の治療だけでなく、肌の治療も同時にすることが、早く症状を和らげるのには近道だと思います。
ステロイド系の外用薬は、ステロイドの高い効果を活かしつつ副作用の発生を抑えるために開発されたのだそうです。
また、ステロイド薬はやめ時の判断がとても大切です。中途半端な使い方が、症状の再発や悪化につながることもあるそうです。素人判断はこわいのです。だから、ぜひとも皮膚科を受診して下さいね。
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