初詣にお寺はおかしい?参拝の作法とか賽銭の金額とか鈴の鳴らし方とか

初詣 季節の行事
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初詣でお寺にいくのはおかしい?

たしかに初詣といえば巫女さんをイメージしやすいから、行くとすれば神社と思いやすいかもしれません。

でも、全国の初詣の人出(三が日)ベスト5のうち、3か所はお寺です。そんなに大勢の人が、お正月早々おかしなことをしているのでしょうか?

ここでは、お寺に初詣にいくのがおかしいのかどうか、明確な理由とともに解明しています。

初詣にお寺はおかしい?

答えから書くと、そんなことはありません。

お正月三が日、人出の多いところベスト5は、

  1. 明治神宮
  2. 川崎大師平間寺(へいけんじ)
  3. 成田山新勝寺(しんしょうじ)
  4. 浅草寺(せんそうじ)
  5. 伏見稲荷神社

ご覧のとおり2位から4位はお寺で、3か所合わせておよそ900万人が訪れています。

これだけの人が毎年初詣をしているのに、お寺にいくのがおかしいわけはないですよね?

初詣の人出については、こちらの記事に詳しく書いたので、興味のある人はぜひご覧下さい。
>>>初詣の人数ランキングで人気の社寺を並べてみました

 

そもそも「初詣」という言葉は、お正月に川崎大師に参詣することを表す俳句の季語として、明治時代の末期に誕生したものだそうです。

出典はこちら

川崎大師は平間寺(へいけんじ)というお寺です。

なので、お寺に「初詣」するのがおかしいとは、絶対に言えません。言葉自体が、お寺に参詣することを表しているのですから。

 

とはいえ初詣のルーツは、家長が大晦日から元旦にかけて氏神の社に籠って一族の繁栄を祈願する「年籠り(としごもり)」にあるといわれています。もともとは神道の儀式なんですね。

だから言葉の由来は別として、初詣は神社に行かなければならない、という説にも一理あるといえます。

 

ではなぜ、お寺にもお正月に参詣するようになったのでしょうか?

それは、元来別の宗教である神道と仏教が、日本ではとても近い関係だからです。

 

約1500年前に中国から仏教が伝来したとき、八百万の神といわれるたくさんの神様が信仰の対象だった日本では、仏様は新来の神様のひとりと位置づけられました。

本来、仏教はお釈迦様の一神教です。しかし仏を神々のひとりと位置づけたことで、仏教はすんなり日本の社会に溶け込みました。

はじめから意図して、仏教は神道に近い立ち位置をとっていたのです。

この布教戦略は大成功をおさめ、のちに政治権力と結びついて強大な力を持つようにもなります。こうなると、パワフルな仏様にも祈願しておこうという人が出てきても不思議はありません。

江戸時代には元旦詣、恵方詣と呼ばれる、初詣につながる風習が一般大衆にも広がっていましたが、お参りする先は、先祖のお墓のある菩提寺、地元の氏神様を祀った神社、自宅からみてその年の恵方の方角にある神社やお寺と、神社もあり、お寺もありとなっていました。

江戸時代には、すでにお寺に参詣することは当たり前になっていたんですね。

 

ただし、神社とお寺とでは、参拝の作法が多少ちがっています。

参拝の作法は神社と寺ではどうちがうのか?

神社の参拝とお寺の参拝は、社殿で神様や仏様と向き合うときの作法にちがいがあります。それ以外はほとんど同じです。

以下でそれぞれの作法をみてきいましょう。

神社の参拝

鳥居をくぐる

鳥居は、人間世界と神域の境界線(結界)とされています。鳥居の前で住所氏名を名乗り、一礼してくぐります。

参道を進む

参道の中央は神様の通り道(正中)とされています。神様の邪魔にならないよう、参道の両端を歩いて進みます。参道を横切るときは、中央で神前に向き直って一礼します。

手水舎(てみずや)の作法

手水舎の作法は、身を清める禊(みそぎ)の儀式を略式にしたものだそうです。その手順は以下のとおりです。

  • 右手にひしゃくを持ち、水を汲みとる
  • 汲んだ水で、まず左手を流して清める
  • ひしゃくを左手に持ち替え、右手を流して清める
  • 再びひしゃくを右手に持ち替え、左手の平で水を受ける
  • 左手の平の水で口をすすぐ
  • もう一度、左手を流して清める
  • 最後にひしゃくの柄を立てて、残った水で柄を流して、もとの場所にひしゃくを伏せる

参拝する

鈴を鳴らして神様に降りてきていただき、お賽銭を納めます。二礼二拍手して、手を合わせたままお祈りをします。そして、最後に一礼して退きます。

以上が、神社での参拝の作法です。

 

次は、お寺に参拝するときの作法です。

お寺の参拝

山門をくぐる

神社の鳥居にあたるのが、お寺では山門です。仏界と人間界を分ける境界とされています。山門の前で住所氏名を名乗り、一礼して山門をくぐります。敷居があるときは、これを踏んではいけません。

参道を進む

お寺の場合は、参道の中央を歩いてもかまいません。

手水舎(手水舎)の作法

手水舎での作法は、神社の場合とまったく同じです。

ろうそく、お線香を供える

お供えがあるところでは、やっておきましょう。

常香炉(じょうこうろ)

常香炉があるところでは、煙を被ることで身を清める意味があります。

参拝する

鰐口(わにぐち)や鈴を鳴らして、お賽銭を納めます。静かに手を合わせて合掌します。お寺では拍手はしません。

神社でもお寺でも、お祈りは神様や仏様への感謝を伝えるもので、何かを叶えて下さいとお願いするものではない、という考え方もあります。

でも、それが正しいのかどうか?

受験祈願とか結婚祈願とか、叶えてほしいことをお願いするものですよね。神社やお寺側が、それを売りにしていたりもするのですから、切なる願いは叶えていただきたいものです。

賽銭の金額はいくら?鈴はいつ鳴らすの?

お賽銭は、神仏の恩恵への感謝の意味があるとされています。お寺では、修行の意もあるということで「お布施」とも呼ばれます。

お賽銭にはいくらでなければいけない、といったルールはありません。いくら以上だと念願成就しやすい、といったこともありません。感謝することや願いがどんなに大きくても、気持ちよく出せる金額でいいようですよ。

お賽銭を語呂合わせで、縁起のいい金額にする人は多いようです。

5円・・・ご縁
15円・・・十分なご縁
25円・・・二重にご縁
45円・・・始終ご縁
115円・・・いいご縁
1,129円・・・いい福
2,951円・・・福来い
3,181円・・・幸い(さいわい)
4,129円・・・良い福
5,000円・・・千回のご縁
10,000円・・・円満
11,104円・・・いい年

1,000円以上にするときは、白い封筒に住所名前を書いて新札を入れるといいそうです。カップルの場合は、2で割り切れない金額にして納めましょう。1ケタの金額を1円にすれば間違いありません。

鈴やドラ、鰐口などは、神様や仏様に降りてきてもらうための合図になっています。だから、必ずお賽銭を納める前に鳴らしましょう。

まとめ

初詣に出かけるのは、お寺でも神社でもかまいません。

こころを込めて、しっかりお参りしてくれば、運気も上がるというものです。

でも、ご利益もあってほしいと思うなら、こちらの記事も参考になると思います。ぜひご覧下さい。
>>>初詣にいく神社はどこにする?運気上昇する参拝の仕方とは?

 

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