引越し費用を安くするための見積もり交渉のコツと注意点

引っ越し
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引越しすることが決まると、やらなければならないことがたくさんあります。

中でも引越し業者の選択は、できるだけ早く決めておきたいところです。

ここでは、引越し費用を安くするための簡単な方法をお伝えします。

引越し費用を安くするにはどうする?

最も単純で確実な方法は、引越し費用の見積もりを相見積(あいみつ)にすることです。これだけで、一気に費用は安くなります。

以下でちょっと細かい説明を書きます。興味のない人はこの章は読み飛ばして下さい。見積もりを数社からとると、引越し料金が大幅に安くなることさえ理解していただければOKです。

どこの引越し会社でも、料金の内訳は(運送費+梱包材料費+人件費+保険料+利益)で構成されています。費用の項目をまとめて(調達コスト+利益)と読み換えることもできるでしょう。

調達コストを下回る料金で仕事を引き受けることは、ふつうはありません。仕事をやっても赤字になってしまいますからね。

一方ユーザーからみた場合、引越し料金は、荷物の量と移動距離、そして引っ越し時期の3つの要素で決まるように思えます。同じような荷物で同じような移動距離、そして同じ時期に引越しをしたら、料金も同じぐらいになるはずですよね。

でも、実際は引越し料金には相場がない、といわれるほどバラツキがあります。それは、業者の調達コストが同時に行われる他の引越し次第で変動するからです。

どういうことでしょう。

ひとりで1日に担当できる引越しは2つか、うまくスケジュール調整ができれば3つというところです。1件しか仕事がないときは、その1件の引越しで人件費をカバーしないといけませんが、引越しが2件あれば、1件あたりの人件費は半分で済みます。3件入ったら、人件費は3分の1です。

人件費は費用の中で大きな割合を占めます。そのため業者の調達コストは、引越し件数が1件か、2件か、3件かで全然ちがってくるのです。

競合がないとわかっていたら、1件ベースの調達コストに利益を丸々のせて見積もりを提示することができます。

でも、同業他社にも見積もりをとっていることを知ったら、この条件で見積もりを出す営業マンは「アホか!」と上司に叱られるでしょう。

当然、もっと安く提示しないと仕事がとれないと考えます。2件をベースに見積もりを出したり、利益を少し小さめにしたりしていい条件を出そうとしてくれるでしょう。どうしても仕事を取りたいと思えば、3件ベースで書いてくるかもしれません。

だから、相見積(あいみつ)をとることで引越し費用は安くできるのです。極端な話、1社にしか見積もりをとらなくても、他社にも聞いているというだけで、提示される料金は安くなる可能性があります。

でも、それだと提示された料金が本当に安いかどうかわかりませんし、厳しく値切りすぎて相手に降りられてしまったら、他に頼めるところがいなくなってしまいます。だから、口だけではなく本当に複数の会社で見積もりをとることをおすすめします。

複数の会社から見積もりをとるのには、引越し一括見積もりサイトから申し込むと手間がかかりません。

ここの一括見積もりサイトは、入力がおわると概算の引越し料金を画面で確認できます。

引越しの見積もり交渉のコツ

見積もりを申し込むと、引越し業者から連絡がきます。

すぐに電話とメールがきますが、電話は着信音を鳴らす前に切ってフリーダイヤルの着信履歴を残すだけですから、鬱陶しいことはありません。

以前は、ポチッと申し込みボタンを押して1分もしないうちに営業電話が数本かかって来ました。最近は前のめりの営業は評判を落とすので、業者さんも気を使っているのでしょうね。都合のよいタイミングで折り返し連絡をとって、見積もりの日時など相談して下さい。

申し込みの前に、見積もり交渉するにあたっての作戦をたてておくといいと思います。

引越しの料金交渉のコツは、自分の予算や希望金額を絶対に口にしないことです。

お金の話は、相手から聞くだけです。ひたすら聞くことを繰り返すと、勝手に料金が下がっていきます(笑

通常、引越し料金の見積もりは、引越し会社の営業担当が家に来るところからはじまります。見に来るのは、荷物の量、運び出しの経路や方法の検討、周辺の交通事情を知るためです。ついでに、契約もその場でとりたいと思っています。

最初の連絡は、家に来るスケジュールを決めるためのものです。

そこでアポイントを決めるときに「相見積もりになりますけど、よろしいですか?」と聞いて下さい。ダメだというような営業担当はいないはずですが、このひと言で競合がいると意識してもらうことが目的です。

もうひとつ「アポイントが他社さんと一緒になってもかまいませんか?」とも聞いておいて下さい。どっちと答えるかは、担当者の性格や経験、あるいは会社の方針などが関係すると思うのでわかりません。

でもOKと言ってくれれば、他にもOKな担当者と同時にみてもらえるので時間が節約できます。他社のいる前では契約交渉もやりにくいでしょうから、面倒な受け答えをしなくて済むかもしれない、という効果もあります。

他社さんと一緒はちょっと・・・、という会社には、単独で時間をとってあげましょう。

各社が現場を見に来るときは、家族のどなたかが立ち会うことになります。このときに大事なのが、自分の予算や希望額は絶対に口にしないことです。

自分は素人だから「引越し料金の相場がわからないので、プロのみなさんに見てもらって教えていただいています。みなさんのお話をお聞きしたあとで考えたいと思います。」というような感じでお話しましょう。業者は契約書にハンコを押してほしいので、いろいろと攻めてくるでしょうけれど、ニコニコしながらのらりくらりとかわして下さいね。

営業担当がその場で見積料金を提示するかもしれないし、持ち帰ってのちほど連絡します、ということになるかもしれませんが、見積もりのときはとにかく料金を聞くだけにとどめます。

見積もりが提示されたら、御礼を言って「お願いすることになればこちらから連絡します」と伝えて下さい。この段階ではこちらからの要求はしません。それは最後に決める段階で出すことにします。

さて、全社から見積もりをもらったら、ここから交渉がはじまります!!

交渉相手は、条件の悪いところからです。

「こちらから連絡します」と伝えていても、連絡がくるまで待っていられる営業担当はほとんどいないと思います。

向こうから電話がかかってくると思いますので「御社より条件のいいところがありますけれど、せっかく電話をいただいたので、もう少し頑張っていただけるのなら、どのくらいになりますか?」と聞いてみて下さい。このときも、他社の条件や自分の希望金額などは話さないようにします。

この段階になると、他社よりいい条件にするから今の一番いいところがいくらか教えて欲しい、と食い下がってくる営業担当もいると思います。この場合でも、具体的な金額は教えないほうがいいです。代わりにその会社が一番なのか、二番手以下なのかは教えてあげてもいいでしょう。

「今出せるベストの条件を出していただければ、それで十分です」と答えておけば、いい条件を出さざるを得なくなるし、しかもそれで契約するかしないかは、こちら側が決められます。

もし、初回の条件提示で一番だったところが再提示したところに逆転されたら、元一番のところには、もう一度条件提示をしてもらいましょう。

このようにして、見積もりの再提示が一巡したら、一番良い条件のところに契約するつもりでこちらから連絡します。ふつうは一番安い金額を提示したところに連絡することになりますが、担当者が気に入らないとか、何か不安な点がその会社にあるのなら、二番手以降の会社で契約してもかまわないと思います。

このときは「○○してくれたら契約します」と条件付きで連絡すると、その要求は通りやすいと思います。もし、希望通りにいかなくても、何かサービスはつけてくれるでしょう。

最後までこちらの希望を言わないのは、相手のベストの条件を引き出すためです。

見積もりの基準として、素人の客が考える相場ではなく、同業他社が出してくる条件を意識してもらうと、その会社の現状でのベストを引き出しやすいのではないか、と思うのです。

自分の予算や希望金額をいわないのは、プロが考えるベストを基準にしてもらいたいからです。

引越しの見積もり交渉の注意点

相見積もりをとって交渉すると、引越し費用は安くなりますが、実はあまり安すぎると仕事の質が落ちてしまうリスクも出てきます。

見積もりにはなかった作業で後から追加費用を取られたり、雑で乱暴な仕事をされたり、ひいては損害賠償請求の交渉をしなければならない事態をおこしたりしないように、信頼できる会社に任せたいですよね?

そこで、見積もり交渉の時点で少し気をつけておくといいことがあります。

まず、見積もりの基準はスタッフの人数、トラックのサイズと台数です。

これは素人には何が正しいかわからない数字かもしれませんが、複数の引越し会社から見積書を出してもらって横比較すると、自分の引っ越しがどのくらいのものになるのか、だいたいの数字がわかります。

でも、中には他社と明らかに違うところがあるかもしれません。こういうところは注意しておきましょう。できればなぜ他と違うのかを、キチンと説明してもらいましょう。

あるいは、それほど魅力的な先でなければ、面倒なので候補から外してしまう手もあります。

引越しにはちょっとした間違いがつきものです。家財道具に傷がついたり、建物の壁などを傷つけてしまったり。だから、かならず保険がついていて、万が一のときには補償されるようにしているハズです。ふつうは補償について営業担当から説明があると思います。

でも、自分から説明しない業者はちょっと注意しておきましょう。費用をけずるために保険に入っていないと困ります。もし保険に入っているのに営業担当が説明し忘れているとすれば、それはそれでかなり雑な仕事をする会社かもしれない、という疑念が湧きます。

他によっぽどいい点がないと、この会社は選ばないほうがいいかもしれません。

他にも、ダンボールの料金が有料か無料か、重たい家具の配置修正をあとでやってくれるかどうか、とか細かいサービスの点では、必ずしも全社が同じ条件にはならないと思います。

これは注意点ではありませんが、契約したい会社以外で気になるサービスがあったら、契約段階でそのサービスをつけるのを条件にする、というような交渉に使えます。

まとめ

いかがでしょうか。

引越しに限らないのですが、リアルタイムの競合他社の条件は、営業担当よりもお客の方が正確にわかっています。この情報格差を利用して交渉で優位に立ちましょう、というのが今回の提案です。

気持ちよく、安い費用で引越しができるといいですね!!

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