大切にしまってある雛人形も、住宅事情の変化や家族が増えると置き場所に困って厄介者になってしまいます。
捨てるに捨てられない雛人形を手放すにはどうしたらいいか、その方法をまとめました。
雛人形を処分する方法はどんなものがあるか
雛人形は贈ってくれた方の思いがあるし、幼い頃からの思い出もあるので、なかなか捨てられないのも当然です。七段飾りの立派で由緒あるものだったりすると、もったいない気もしますし。
でも、家族が増えていろんな荷物が増えてくると、立派なものほど置き場所に困るということになってしまいます。
雛人形は贈られた赤ちゃんが健やかに育って大人になるように、いろいろな厄災を身代わりになって引き受けてくれる役目をはたしています。信じるか信じないかは人それぞれですが、もともとはそういう願いをこめて用意したのが、雛人形でした。
だから、赤ちゃんが大人になったら一応お役御免ということになるとも考えられます。
でも、むかしは嫁入り道具として、雛人形を婚家に持ち込んだこともあるようですから、大人になってからも厄除けになると考えられてもいました。
そういう意味ではいつ雛人形を手放すべきか、という時期については決まりがあるわけではないようです。考え方は人それぞれといってもいいのでしょう。
でも、いろいろな事情から思い切って処分することにした場合、どんな方法があるでしょうか。
厄祓いとか念みたいなものが気にならない方は、ふつうにゴミとして出すこともできます。でも、そうではない方の場合は、ちょっと手間がかかりますが2つの方法があります。
ひとつはお寺や神社で供養してもらった上で、お焚きあげをする方法。もうひとつは、雛人形が欲しい方を見つけて譲る方法です。
雛人形の処分にあたって供養したいのなら
雛人形を供養してお焚きあげしてもらうには、人形供養をやっているお寺や神社を探します。たとえば「人形供養 東京」などと、お住いの地域でネットを検索してみると、人形供養をやってくれるお寺や神社が見つかると思います。
でもせっかくだったら、雛祭りの3月3日に「雛流し」という神事で雛人形を供養してくれる、和歌山の淡嶋神社に大事な雛人形を託してはいかがでしょうか。有名な神事で観光客が大勢集まるので、雛祭りの日にはニュースで「雛流し」の様子を取り上げていることもあります。
NHKの「新日本風土記」でも放送されたことがありました。
淡嶋神社はもともと雛祭りの起源に由縁のある神社です。
男びな女びなの始まりは、淡島神社のご祭神である少彦名命と神功皇后の男女一対のご神像であるとされています。また、雛祭りが三月三日になったのは、友ヶ島から対岸の加太へのご遷宮が、仁徳天皇五年三月三日であったことから。
雛祭りの語源も、スクナヒコナ祭が後に簡略化されて、ヒナまつりと言われるようになったとされています。
引用元はこちらです>>>淡嶋神社の年中行事
淡嶋神社に人形を奉納するのには、神社まで人形を持参する必要があります。人形供養の受付ができない日がありますので、参拝する前にこちらをご確認下さいね。
淡嶋神社の参拝のご案内
淡嶋神社まで足を運べない方は、代行業者があります。ネットで「淡嶋神社 人形供養 代行」と検索するとサービスを提供している業者さんが出てくると思います。
雛人形を欲しい方に譲るには
世の中には、雛人形が欲しい方もいます。供養しても結局処分することになるから、と抵抗がある方は、欲しい方に譲って大切にしてもらえればうれしいですね。
欲しい方を探すには、フリーマーケットやオークションに出す方法があります。有名なのはメルカリやヤフーオークションですね。アカウントを作れば、誰でも出品することができますし、いくらかお小遣いを手に入れることもできますから、気になる方はトライしてみて下さい。
もし、骨董品屋さんや古道具屋さんに知り合いがいるなら、その人に相談してみるのもいいかもしれません。
あと、地元の学校や子どもたちが集まる保育所、児童館、公民館などは雛人形を贈ると喜んでくれるかもしれません。寄贈ができるかどうか、地元の施設に問い合わせをしてみるといいと思います。
他におすすめの案としては、いくつかの自治体でひな祭りイベントを毎年開催していて、イベントで飾る雛人形を集めています。
有名なのは「かつうら」つながりの徳島県の勝浦町と千葉県の勝浦市、和歌山県の那智勝浦町の「ビッグひな祭り」、「ビッグひなめぐり」があります。
雛人形の生産が盛んな埼玉県鴻巣市では「鴻巣びっくりひな祭り」が開催されています。
寄贈の方法などは、それぞれのイベントのウェブサイトなどで確認して下さい。
ところで、9月9日の重陽の節句は「大人の雛祭り」として最近注目されています。
重陽の節句は菊をつかって健康、長寿を願うことから「菊の節句」とも呼ばれますが、江戸時代にはちょうど雛祭りの「桃の節句」から半年経つので、しまいこんだ雛人形を外に出して虫干しをする習慣がありました。
このことから重陽の節句は別名「後の雛(のちのひな)」ともいわれます。
そこで、この時期に雛人形を季節飾りにするのも悪くないのではないでしょうか。
雛人形は男雛と女雛が一対で成り立ちます。これだけを残しておけば、それほど収納スペースを占拠することもないでしょうから、雛人形を全部処分しないで、まだまだ楽しむことができますよ。
まとめ
雛人形をみると、まだ記憶に残らない幼いころのご両親やおじいさん、おばあさんの愛情を実感できる人も少なくないかもしれません。そうした思いは、あなたのあとの世代にも引き継がれていくといいですね。
かたちのある雛人形とのお別れは、いずれは避けられないものですが、そこに込められたご家族の愛情は、末永くあなたを見守ってくれるものです。赤ちゃんが大人になってお守りの役目を終えた雛人形は、きちんと送り出してあげることが大切なのかもしれません。
この記事があなたの参考になるとうれしく思います。
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