初節句の雛人形 お下がりがダメなら誰が買う?選び方のポイントは何?

季節の行事
この記事は約4分で読めます。

初節句の娘さんのために飾る雛人形。お母さんが持っている雛人形が、格式のある華やかなお人形だったら、赤ちゃんにも飾ってあげたいと思うのも自然な感情ですね。

でも、雛人形を飾って初節句をお祝いする意味をもしご存知なかったら、ちょっと待って!

まずは、こちらの記事を読んでからお母さんの雛人形を飾るかどうかを考えて下さいね。

初節句の雛人形でお下がりはダメなのか?

結論から書くと、お母さんの持っている雛人形がどんなに由緒ある立派なお人形だったとしても、雛人形をお子さんに譲ってはいけません。

雛人形の原型は平安時代の「流し雛」といわれています。流し雛は、紙でできた人形(ひとかた)に厄をうつして川に流す儀式で、そのルーツは3月3日に水辺で身を清め、穢れを祓う中国の「上巳(じょうし)の節句」にありました。

「上巳の節句」の習俗が8世紀の奈良時代に日本に伝わり、平安時代の11世紀になるころには「流し雛」として日本の各地で行われていたのです。むかしは幼いうちに命を落としてしまう子供がとても多かったので、そこには小さな赤ちゃんが健やかに育ってくれることを願う、切なる親心が込められていました。

「流し雛」を由来とする雛人形は、子供に代わって病気や怪我といった厄災を引き受けるお守りです。だからお母さんの雛人形をお下がりにすると、人形が引き受けてくれた厄災をお子さんに受け渡してしまうと考えられています。

いまでも「流し雛」の伝統が受け継がれている地域は、日本全国に多くあります。一年間に引き受けてもらった災いを、人形とともに毎年水に流しているのです。

雛人形は誰が買うのものか?

では、初節句の雛人形を新調するとして、赤ちゃんに雛人形を買ってあげるのは誰の役割になるでしょうか。一般にいわれているのは、雛人形を用意する人は母方の祖父母だということです。

これには歴史的な理由があります。

かつては結婚というと、妻が夫の実家に入って義父母と同居するものがほとんどでした。

結婚にあたっては夫方が結納金を妻方に渡し、妻方は嫁入り道具を一式揃えます。嫁入り道具には、将来授かる子供のための品も含まれていました。だから雛人形だけではなく、孫が男の子の場合は、初節句の兜飾りも母方で用意することになっていました。

これがひとつめの理由です。

娘の両親は、嫁入した娘には中々会う機会がありません。「家」という枠組みの重みは、平成の今とは格段に違いました。

他人の家に入った娘には、気軽に会いにいくことはできません。今とはちがって、様々な障壁がありました。嫁入りが大袈裟ではなく、今生の別れになるということもあったでしょう。

そんな時代ですから、お祝いの品を届けることは、娘に会うための格好の機会になりました。雛人形を持っていくということが、娘の婚家を尋ねる正当な理由になるわけです。

これが第二の理由です。

家や家族に対する考え方が違う時代のお話です。

今は結納金を用意しない結婚も珍しくないし、赤ちゃんが小さいうちは、むしろ妻側の両親のほうが会う機会の多い家族もあるでしょう。

結婚が即、妻が夫の家に入ることを意味しない時代です。核家族も増えました。

母方の祖父母が雛人形を用意しなければいけない理由は、かつてほど濃くはありません。

雛人形を誰が買うかは、それぞれの家族の事情に応じて、自分たちの考え方で決めればいいものになっています。

赤ちゃんと一緒に暮らしている家族の構成、実家との距離、もちろん経済状況も重要な要素になりますが、家族それぞれに異なった形があるので、雛人形の買い方にも、実情に応じた役割分担があっていいわけです。

赤ちゃんのお父さんとお母さんが自腹で買うのもありだし、両家の祖父母から割り勘で買ってもらってもいいと思います。雛人形は母方、その他の初節句のお祝いは父方にお願いする分業制もあるかもしれません。

何にせよ、家族みんなが揃って赤ちゃんの初節句をお祝いできるのがいいですね。負担の仕方でわだかまりが残らなければ、それがベストの選択です。

雛人形の選び方にポイントはあるか?

初節句の赤ちゃんに雛人形を選ぶには、どういう基準、ポイントがあるでしょうか。

お店やネットショップで雛人形をみると、価格、サイズ、メーカー、作者などが、どの人形を選ぶかというときには基準になりますね。

それと合わせて、二人目、三人目のお子さんも女の子だったら、その子たちにも同じように用意してあげることを、頭の片隅に入れておくといいのではないかと思います。

二人目、三人目の女の子が生まれるかどうか、ふつうはわからないわけですけれど、そういう可能性があることは否定できませんよね。

もしそうなったら、その子にお下がりというわけにはいかないし、お姉ちゃんと同じぐらいの格のお雛様にしないとかわいそうです。

生まれるかどうかもわからないお子さんが、もしいたらどうする?

たぶん、あまり意識されることがない要素だと思います。でも、もしそうなったときにどうするか、最初の雛人形を用意するときに一度考えておくのは、決して無駄ではないと思います。

まとめ

雛人形の準備は、家族それぞれにあったやり方があります。かつて常識とされていたことも、今はそうでもないこともあります。この記事が、あなたの家族にとってベストの方法を見出すのに役立つと、うれしいです!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました